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香川照之さんの歌舞伎に期待! [お芝居]

香川照之さんが、ついに歌舞伎の世界へ挑戦というニュースが流れ、心がとってもワクワクした[わーい(嬉しい顔)]
香川さん自身、「歌舞伎役者の血をひきながら歌舞伎をやっていないことに納得していない」というようなことを、以前テレビ番組でおっしゃっているのを見たことがあり、とても印象に残っていた。

香川さんにとって、歌舞伎=父である猿之助さん、なのではないかと思う。歌舞伎へのあこがれは、すなわち父へのあこがれなのだという気がしてならない。

幼い頃に父と別れ、「息子ではない」という悲痛な言葉を浴びせられ、どんなに傷ついたことか。でもきっと香川さんのなかでは、それは父の本心ではないことがちゃんとわかっていたからこそ、ずっと歌舞伎への思いを捨てきれずにいたのだと思う。猿之助さんだって本当は自分の息子を歌舞伎役者として育てたかっただろう。けれど、元妻である浜木綿子さんの気持ちも考え、泣く泣く息子を手放したはず。

それが今、長い年月を経てやっと本来の姿に実を結ぶことができた感激[ぴかぴか(新しい)]会見での香川さんの表情には、喜びが溢れていた[かわいい]本当におめでとうございます[exclamation]と言いたい。

そしてなにより女性として嬉しかったのは、猿之助さんが浜さんに感謝の言葉をおっしゃったこと。香川さんという人間をここまで育てたのは浜さんなのだ。この「ありがとう」のひとことで報われたと思う。

香川さんも俳優として大きくなられたあとでの歌舞伎デビューは、遠回りをした格好になるが、かえってそれが歌舞伎の世界に新風を吹き込むことになるのではないかと、大きな期待がわいてくる。

新橋演舞場での来年の舞台、とても楽しみだ。ぜひいつか関西でも公演が実現して、生でその舞台を拝見できる日を心から待ち望んでいる[かわいい]



勘三郎さん復活公演、千秋楽! [お芝居]

世間が連休明けの今日。私にとっては1人の貴重な時間が戻ってきて、朝から大阪新歌舞伎座へ直行[exclamation]
九月松竹大歌舞伎、千秋楽を観て参りました[ぴかぴか(新しい)]

昨年末から体調を崩されて休演されていた中村勘三郎さんの復活公演でもあるこの舞台。私にとっては初めての勘三郎さん体験公演となった。しかも勘太郎さん、七之助さんとの親子共演とあって、期待に胸がふくらんだ。

まず一幕「御摂勧進帳」は、平家討伐後、頼朝と不仲になった義経一行が、東大寺勧進の山伏や強力に姿を変えて安宅の関を越えるお話だ。関所で義経一行ではないかと怪しまれた際、中村橋之助さん扮する武蔵坊弁慶が、山伏であることを証明するために勧進帳を所持していると偽る。弁慶は白紙の巻物を取り出し、即興で勧進帳の内容を読み上げるなどしてその場を何とか切り抜ける。そして弁慶を人質に、義経たちは無事関を通行。彼らが追っ手の届かないところへ逃げた頃を見計らって、弁慶はその正体を明らかにし、暴れまくるという内容だった。
この作品の見どころは、最後に敵をやっつけた弁慶が、討ち取ったいくつもの相手の首を、大きな天水桶に入れて“芋洗い”する場面。かなりグロテスクな内容だが、歌舞伎では大胆さを残しながらも、グロテスクさを感じさせない演出になっているのが面白い。

二幕は、「男女道成寺」。旅の僧、安珍と夫婦の約束を交わした清姫が、約束を反故にした安珍への怒りのために蛇となり、道成寺の撞鐘に隠れた安珍を紅蓮の炎で焼き尽くし、自らも息絶えたという出来事があった。その数年後、道成寺で撞鐘が再興された折、鐘供養の席に舞を奉納すると言って女人2人が現れる。ところがそのうち1人は男であることがわかり、男女で妖艶な舞を踊り続けるが、最後には蛇の本性を見せる。実は清姫の亡魂が姿を変えたものであったというお話。
この男女は勘太郎さんと七之助さん。兄弟の息のあった見事な舞に、思わずうっとり[揺れるハート]七之助さんの舞姿は、群を抜いて美しいことはこれまでも感じていたが、勘太郎さんの女形姿もなかなかよく似合って美しかったこと[ぴかぴか(新しい)]この2人は歌舞伎をするために生まれてきたと言うにふさわしい素質を充分に兼ね備えた、生まれながらのスターだ。そして今だからこそ観られるこの2人の美しさを、しっかりと心に留めておきたいと思った。

そしていよいよ三幕の「人情話文七元結」。勘三郎さんの登場だ[かわいい]三遊亭円朝原作の人情話で、今回はあの山田洋次監督が捕綴した台本によるもの。
勘三郎さんが演じるのは、酒と博打で借金がかさんだどうしようもない男、左官の長兵衛。その娘のお久が正月も越せない状況をみかねて、自ら吉原に身売りし、長兵衛を助けようとする。吉原の女将はその親孝行な娘の姿に心を打たれ、長兵衛に50両を貸し出す。ところが50両を借りた吉原からの帰り道、長兵衛は、集金した50両をスリに奪われ身投げしようとしていた小間物屋の文七(勘太郎)に出会い、文七の命を助けるために自分が借りた50両を渡してしまうのだった。帰宅すると、せっかく娘のおかげで借りられた50両を無くしてしまったことを女房のお兼に責められ、弱っていたところ、翌日文七が現れ、実はスリに奪われたと思っていた50両は、得意先に忘れてきてしまっていたのだと告げ、無事長兵衛の50両は戻ってきた。さらに娘のお久も文七の雇い主によって見受けされ、文七にお嫁入りすることになるというめでたしめでたしのハッピーエンドだ[かわいい]
江戸っ子だねぇ~[グッド(上向き矢印)]という言葉がぴったりの長兵衛。だめ男なんだけど、なんだか魅力たっぷりってとこが、どこか寅さんを彷彿とさせる。その役はまさに勘三郎さんにぴったり[exclamation]ちょっと肩の力が抜けた感じて、さらりと演じきるさまはみごとだった[ぴかぴか(新しい)]

カーテンコールで「まだまだ100%復活とはいいきれないけれど、いつもお客様には舞台を観て元気になったといってもらえるので、今度はお客様から元気をもらって頑張りたい」と言った勘三郎さん。本当にこれからもムリしすぎず頑張っていただきたい。

勘三郎さんの芸や、人となりはみごとに勘太郎さんや七之助さんに受け継がれている。親子で同じ舞台に立てるなんてどんなに幸せなことか・・・[わーい(嬉しい顔)][かわいい]

けれど、この幸せは勘三郎さんだけのものじゃない。
1人の人間が一生懸命生きた証は、必ず次の世代に引き継がれていく。これは誰もが同じこと。私たち全ての人間は、たとえ子どもがいなくても、その人が生きた姿が周りの人に必ず何らかの影響を与え、受け継がれていくものなのだ。

だからしっかり生きなくちゃね[かわいい]皆さん一緒に頑張りましょう[exclamation×2]

キャラメルの「サンタクロースが歌ってくれた」は最高! [お芝居]

今日大阪のシアターBRAVA!で、キャラメルボックスの「サンタクロースが歌ってくれた」を観た[わーい(嬉しい顔)]
何と言っても、大好きな上川隆也さんを久しぶりにキャラメルボックスの舞台で観ることができるのが嬉しくて、この日が待ち遠しかった[ぴかぴか(新しい)]

この作品が上演されるのは4回目。最初は1989年。キャラメルボックスが結成して4年目に初演されたらしい。
まだ新人だった近江谷さん、上川さんが出演し、大好評だったそうだ。そしてキャラメルボックス結成25年の今年、クリスマス公演として復活[exclamation]昔からのキャラメルファンにはたまらない、クリスマスプレゼント[プレゼント]だ。

さてストーリーはというと・・・クリスマスイブの夜、彼氏のいない寂しい女の子2人が一緒に映画を観に行くことになる。映画は「ハイカラ探偵物語」。物語が展開されるのは大正時代。当時新進気鋭の作家、芥川龍之介が、『怪盗黒蜥蜴』による宝石盗難事件を推理によって解決するという内容だ。ところがその映画の中で犯人『黒蜥蜴』とされ、最後に自殺してしまう女中のミツが、「本当の犯人は自分じゃない」と映画の中から現実の世界へ逃げ出してしまう。そしてそれを追いかけてほとんどの登場人物が映画のなかから飛び出してしまい、大変なことに・・・。毎回同じ内容を上演されている映画の登場人物が、それぞれ意志を持って演技を繰り返しているという、ユニークな発想に基づいて展開される。

このお芝居は、初めから終わりまで登場人物が活き活きと動き、あらゆるシーンに笑いがちりばめられて、私たち観客を心から楽しませてくれる。アドリブもたくさん。そして、近江谷さん、上川さん、西川さんという40代の役者さんたちが、21年前と変わらない、というかさらにグレードアップした熱演で、私たちを魅了してくれた[黒ハート]

このところなんだか仕事が忙しく、疲れ気味だった私。一気に年を取ったような気がして、いろんな意味で少しあきらめの気持ちになっていた。でもあんなに活き活きと動く同世代の彼らを見て、「まだまだがんばらなくっちゃ[exclamation×2]」と、思えるように[かわいい]

いつもそうだけど、キャラメルボックスのお芝居は観る人に元気を与えてくれる。たくさんの笑いと感動で、私たちの魂をピカピカ[ぴかぴか(新しい)]にしてくれる。これからもずっとずっと観に行きたいと、改めて感じた一日だった[わーい(嬉しい顔)]いいお芝居は、心の栄養になるんだなぁ~[かわいい]


「シラノ・ド・ベルジュラック」を観る [お芝居]

昨日夜、キャラメルボックスの「シラノ・ド・ベルジュラック」を娘と2人で観に行った[ぴかぴか(新しい)]
シラノ・ド・ベルジュラック・・・あーなんか有名で知ってるけど、どんな物語だったっけ??というくらいのいいかげんな気持ちで観に行ってしまった私。でも、でも、これは観て良かった~と思えるお芝居だった[わーい(嬉しい顔)]

鼻が大きすぎるという外見のコンプレックスがあるために、好きな女性ロクサーヌに告白できない男、シラノ。そして、ロクサーヌが同じ隊にいるルックスのいい男、クリスチャンに恋していることを知ってしまう。しかしクリスチャンは、自分の気持ちを上手く言葉で表現できないために、彼女に近づくことができず悩んでいた。詩人シラノはそんな彼に、恋の言葉を教え彼を助ける。ロクサーヌは、自分への愛を様々な言葉で表現してくれるクリスチャンにますますぞっこん。そして結婚することに。しかし、後にクリスチャンは戦死。そして長い年月を経てやっと、ロクサーヌはシラノこそ、クリスチャンの影武者となって、自分を愛してしてくれていたことに気づくという内容。とても切ない物語なのだ[もうやだ~(悲しい顔)]

この古典的なお芝居を、キャラメルボックスは見事に私たちに見せてくれた[かわいい]
古めかしいセリフがまず、とても新鮮。まるで世界名作全集を読んでいるかのような錯覚に陥る。独特の翻訳の文章を思い出す。しかし、古めかしいのにテンポが良く、物語はサクサクと進んでいく。

このお芝居のなかでは、ロクサーヌを通して、いつの時代も女性は言葉を欲しがり、言葉で愛を確かめたい生き物なのだという普遍的な事実を思い知らされる。男性からみると「めんどくさい」生き物なのだろう。言葉の表現力で評価されるなんて・・・大変だ。いくら男前でも、愛を語れない男は興ざめなのだ。
もちろん初めは外見でクリスチャンに惹かれたロクサーヌだが、彼の発する言葉によって、さらにハートを打ち抜かれる。そして彼の姿がどのようになったとしても、彼の魂を愛しているという境地にたどりつく。

それはつまりロクサーヌはきっと、外見でクリスチャンを好きになった自分を「ちょっとダメだな」と思っていて、クリスチャンの内面を好きになったと思いたかったから、彼の言葉で彼の魂のよさを確信したかったんだと思う。外見もいいけど、中身はもっと素敵なのよ[exclamation]だから好きになったの・・・って恋する女は信じたいものね。だから、いくら内面がよくても、シラノには最初から恋に落ちることはなかったんだわ。

うーん、考えさせられるわー。恋は盲目[黒ハート]好きになったら、全てがいいように見えるもの・・というか、そうあって欲しいって思うから、そう見えてしまうんだよねー。

と言う風に、私の頭のなかでは堂々巡りが繰り返されるのだった[あせあせ(飛び散る汗)]

恋は自分の心が創り上げる妄想なのかも知れないなぁ~[失恋]いつまでも相手のことを妄想していられた人が、幸せをつかめるのかもしれない。

シラノ・ド・ベルジュラックの世界は、とっても深い。

さて娘は、何を感じたのだろうか?
観終わって「お話、わかった?」って聞いたら、「うん、わかったよ」と答えたけれど、いったいこの子はここから何をわかったのだろうか・・・。知りたくもあり、知りたくなくもあり、複雑な気持ちになる母であった[あせあせ(飛び散る汗)]




義経千本桜に感動!! [お芝居]

昨日、京都南座に海老蔵さん、玉三郎さん出演の「通し狂言 義経千本桜」を観に行った[ぴかぴか(新しい)]
以前、初めて歌舞伎を観に行った時、隣に座っていた方に「海老蔵は上手いよ~、絶対観るべき!」と言われてから、ずっと観たいと思っていたので、今回やっと念願叶ったというわけだ[わーい(嬉しい顔)]

海老蔵さんは、生まれながらにして歌舞伎の世界のサラブレッド。でも失礼ながら、私はあまり好きではなかった。どことなく世間知らずのお坊ちゃん的で、キザな感じがして・・・。ところが最近、フジテレビの日曜朝の番組「ボクらの時代」に出演されているのを見て、自分の仕事に対する意識をしっかりと持った人だということがわかり、見直したのだ。どんな言葉で表現されたかは、いちいち覚えていないのだけれど、「歌舞伎俳優という仕事は、はっきりいって無くてもいい仕事かと思う。でもそれを観にきてくれる人たちがいる限り、ボクらの存在価値はあるし、何か役に立っていることがあると思うから、精一杯この仕事をやる」というような内容だったと思う。彼には他の職業への選択の余地はほとんど無く、周りからも期待されて育つことに逆らいたい時期もあったと思うが、それでも自分の運命を受け入れて、この仕事に邁進しようという姿勢がすごいと思ったのだ。

そして今回、彼の舞台を観て、心底感動した[exclamation]まず舞台に登場した時から、その美しさに息を呑む。一目で、この世界に生まれるべくして生まれたスターなのだとわかる。
その彼の喉から第一声が発せられると、それは他の俳優とはまったく違うものだった。意識して少し抑えて、彼の体内で響かせてから発されるやわらかな声。それは今まで聴いたことのない音色だ。
動くとどうだろう。これがまたすごい。手足のすみずみ、顔の筋肉のすみずみまで神経をはりめぐらした、なめらかな動き。彼の意思で自由自在に動いている。重い衣装を身に着けながらも、アクロバットのような荒業を軽々とこなし、着地するときも全く音がしないのには驚いた。相当鍛えていることがわかる。
最後の場面で宙吊りのシーンがあるのだが、ここではまた、彼のプロ意識を見た。最初、ワイヤーがうまくかかっていなくて、頭が下がるような格好で吊られていきそうになった。観ている私たちもハラハラしたが、彼はすかさず異常に気づき、下でささえるメンバーに小さな声で指示を出し、やり直しをした。冷や汗ものだったが、今度は正常な形で吊り上げられていった。その時彼は観客に向かって、ちょっぴりおどけた表情を見せて、失敗をフォローしたが、あの場面で落ち着いてやり直しを指示し、危険を回避して確実に仕事をこなす姿は、本物だった。プロなのだ。
本当に見応えのある内容で、私のような庶民にはかなりお高いチケット代でも、充分元が取れると納得できるものだった。歌舞伎を観て、涙が出そうになったのは初めてだ[かわいい]

また、昔から一度は観たいと思っていた玉三郎さんの演技を観ることができ、これも嬉しかった[黒ハート]全盛期は過ぎたのかも知れないが、その美しさはやはり他を圧倒するものだった。すっとした立ち姿、柔らかな立ち居ふるまいは、これもそのために生まれてきた人なのだと感じさせる。この舞台に立つまでに、どれほどの鍛錬を積んでこられたのだろう。若い頃の美しさとはまた違う、年を重ねてこそ身につく美しさがそこにあった。

そして、最後の感動は、出口でお客様全員を見送る、着物姿の小林麻央さんのそれはそれはお綺麗だったこと[ぴかぴか(新しい)]大きくてキラキラした黒い瞳に、吹き出物ひとつないなめらかな肌、笑顔の口元から覗く綺麗に揃った真っ白の歯。完璧な美しさだ[かわいい]きっとこの方は心も純粋無垢で、美しいのだろうなーと思う。海老蔵さんと出会うべくして生まれてきた人なのだ。ああ、神様はどうして人間にこうも差をつけるのかしらと、本当に憎らしくなるような思いもわいてくるほど。きっと海老蔵さんの目にちゃんと留まるように、神様が彼女を圧倒的に美しく作られたのだと思うしかない。

まさに「えーもん見せてもらいました」という言葉がぴったりだった昨日の一日。
そして、どんな世界にいようとも、与えられた自分の仕事にプロ意識を持ってとことん頑張ることの大切さを、教えられた一日だった。感謝、感謝[ぴかぴか(新しい)]

キャラメルの「また逢おうと竜馬は言った」を観る [お芝居]

25日(水)、キャラメルボックスのお芝居「また逢おうと竜馬は言った」を、娘と2人で観た[わーい(嬉しい顔)]
このお芝居は、キャラメルボックスで92年に初演。その後、キャストを替えて95年、2000年にも上演。そして10年ぶりに再演となったものだ。
私は、テレビで上川隆也演じる竜馬に魅せられて、上川ファンになり、キャラメルボックスのお芝居を観るようになったので、以前に竜馬役を上川さんが演じたこのお芝居は大好き。福山さんの竜馬も素敵だけど、若い頃の上川さんが演じた竜馬が、私のなかでは今でも最高だ[ぴかぴか(新しい)]

さて、物語は、小説「竜馬がゆく」の中の竜馬を尊敬する、若いツアーコンダクターの男性が主人公。彼は、竜馬が志した夢と同じように、世界をかけめぐりたいと思い、ツアーコンダクターになったものの、実は乗り物に弱いという弱点を持つために、いつまでもうだつが上がらない。女性にも振られてばかり。その度に「竜馬がゆく」を読み返しては、「男子たるもの、女に振り回されていてはダメだ。竜馬のように仕事に生きるのだ!この世に生を受くるるは、事を成すためにあり。」と自分を慰めているというダメ男なのだ。
そんな彼が、自分の中の竜馬に手引きされながら、同僚夫婦のけんか仲裁をやってのけ、離婚の危機から救うというストーリーだ。お互いになかなかゆずらない2人。夫を「薩摩」、妻を「長州」に見立てて、竜馬のように「薩長同盟」を成功させようと奔走する。しかし、その過程で、思いもよらぬ大事件に巻き込まれてしまう。そして彼と敵対することになる犯人は、なんと土方歳三をバックにつけていた、という意外な展開が面白い。

この物語にはまってしまうのは、多くの人が「竜馬がゆく」を読み、小説の中の「竜馬」に「あんな生き方がしたい」と憧れるからではないだろうか。愛読書を手に、「かっこいい~[exclamation]」と叫ぶ、主人公のツアーコンダクターにめちゃくちゃ共感できるのだ。ちょっと笑えるけど、自分も同じってことに気づいて「ふふっ」と思わず笑ってしまう。女の私も、小説のなかの竜馬に惚れる[黒ハート]あんな、かっこいい男がいるだろうか。なかなかいないなー。でも、「竜馬がゆく」を読んで、世の中の男子が少しでも彼に近づきたいという夢を持って努力するならば、魅力的な男性がきっと増えるに違いないと期待している。

今回の上演で、竜馬役を演じた岡田達也さん。ちょっと線が細くて、小奇麗で、私の中の竜馬のイメージとは違ったが、人間的な優しさがにじみ出ていて良かった。ツアーコンダクター、岡本役の左東広之さんは、まさにはまり役。汗だくで演じる姿が、「これぞ岡本」という感じだったなー。とにかく、たくさん笑えて楽しかったし、元気をもらえるお芝居だった。娘も、あまり感想は言わなかったけど楽しんだ様子[かわいい]夏休みのいい思い出になった[わーい(嬉しい顔)]

さて、お芝居を観た後、病院へ行った私は、ついにギプスをはずしてもいいというお許しをいただいた[ぴかぴか(新しい)]ただ、まだ小指の大きさは倍のまま。骨が完全にくっついて治ってくると、腫れがひいてくるそうだ。完治まであと1ヶ月はかかりそうだけど、ギプスが取れてひとまずホッとする。歩くと何か小指の下あたりに違和感を感じるので、よく見てみたら、ギプスが当たっていた足裏の皮が、一部分厚くなって「ギプスだこ」ができている[あせあせ(飛び散る汗)]人間の身体って本当に不思議だなー。

七月大歌舞伎のこと [お芝居]

わー、びっくり[あせあせ(飛び散る汗)]しばらくブログをサボっていたら、7月はこんなにご無沙汰していたなんて[exclamation×2]
今月前半は雨ばかり[雨]もう、これでもか[exclamation]というくらい降り続いた。そして今は連日の猛暑[晴れ]めりはりがあって、いいような気がするが、このあまりの変化に私の身体はついていけず、とにかくしんどかった。やっぱりトシだわ~[ふらふら]
仕事で一日中パソコンに向かっていたら、帰宅してからパソコンを開ける気もしなくって・・・。慣れてきたとはいうものの、朝5時起きで、弁当作って、朝食作って、娘を学校へ送り出し、洗濯、掃除、自分の身支度をバタバタとして出かける毎日は、結構ハードだ。仕事を終えて帰宅したらヘトヘト[あせあせ(飛び散る汗)]
けれどやっと娘の夏休みが始まり、私の仕事もしばらく夏休み。こうしてブログを書ける日がやってきた[わーい(嬉しい顔)]

そこでやはり、書いておかなければならないのは、7月7日七夕の日に観た、「七月大歌舞伎」でしょう[ぴかぴか(新しい)]思えば去年も七夕の日に歌舞伎を観たなぁ~と懐かしく思い出す。

私が見たのはもちろん「昼の部」。出演者は、片岡仁左衛門、中村翫雀、片岡孝太郎、片岡愛之助、市川染五郎、市川猿弥、市川春猿、などの錚々たるメンバーだ。演目は「妹背山婦女庭訓」、「大原女 国入奴」と「御浜御殿綱豊卿」。歌舞伎初心者の私にとっては、知っている俳優さんがたくさん出ている作品は、それだけで嬉しい。
「妹背山婦女庭訓」は、蘇我入鹿の妹である椿姫と恋仲になり、彼女を追ってきた藤原鎌足嫡男の園原求女、そしてまたその求女を恋い慕って追いかけてきた町娘のお三輪という三人の三角関係の上に、蘇我と藤原の争いという大きな流れが重なる物語。お三輪の素朴で一途な乙女心が悲しく描かれた作品だ。春猿さん演じる椿姫の美しさにはハッとさせられるものがあったが、印象に残ったのはやはり孝太郎さんのお三輪。はっきり言って、そんなに美人ではない。しかし、愛する人に会いたいがために、意地悪な官女たちのいたずらにもめげず、最後には求女のために役立つことを喜びながら死んでいくという、女の一途さがみごとに表現されていた。

それから、「大原女 国入奴」を踊ったのは翫雀さん。愛嬌のある大原女から、いきなり颯爽とした、たくましい奴さんに早替わりしてそれぞれを踊り分けるしっかりとした技は、素人の私から見ても素晴らしいものだった。重い衣装や面を身に着けながら、あれだけの動きができるというのは、やはり稽古の賜物だと思う。日本の踊りの素晴らしさを改めて知った思いだ。

最後の「御浜御殿綱豊卿」は、忠臣蔵関連の物語。松の廊下の刃傷事件から1年。徳川綱豊卿の浜手屋敷で行われる年中行事の浜遊びに、吉良上野介がやってくることを知った赤穂浪士の助右衛門が、その面体を確かめようと、妹である綱豊卿の愛妾、お喜世に頼んで浜遊び見物という名目で屋敷に入れてもらう。そこで、あわよくば仇討ちを決行しようとした助右衛門を、綱豊が真の「義」とは何かを語り、たしなめるという話だ。仁左衛門さんの綱豊と、染五郎さんの助右衛門の、互いの本心を探りあう長い台詞の応酬が最大の見せ場。流れるように次から次へと出てくる台詞が、あまりにも心地よいリズムで、私は思わずうとうとしてしまうほどだった。いけない、いけない、ちゃんと一言漏らさず聞かなければ[exclamation×2]と思いながらも、本当に気持ちよくなってしまった[あせあせ(飛び散る汗)]歌舞伎の日本語のリズムが、こんなにも心地よいとは・・・。名優二人の美声に溺れてしまった演目だった。

観終わって、歌舞伎のことをもっと知りたい、もっと観たいと思うようになった。奥が深すぎて、とんでもないことかも知れないが、私なりに感じてみたいと思う。

さて、夏休み突入で、お芝居もしばらくお休み。今年はどんな夏休みになるだろう。娘の宿題も早めに終わらせるように頑張って、思い出に残るいい夏にしたいなぁ~[かわいい]

バイ・バイ・ブラックバードを観た話 [お芝居]

ひさしぶりにお芝居を観たのが約2週間前。直後はしんどくて何も書けなかったのだが、やっぱりひとこと書いておきたかったということで・・・[あせあせ(飛び散る汗)]

観たのは、キャラメルボックスの「バイ・バイ・ブラックバード」。
世界中で流行した熱病の後遺症で、16歳以降の記憶を失くしてしまった人たちの物語だ。

実年齢はそれぞれ違うが、心は全員、16歳の高校生に戻ってしまっている。
なのに、現実ではすでに仕事を持っていたり、結婚して家族を持っていたり・・・。
16歳の時点では、思いも寄らなかった方向に人生が進んでいて、それを受け入れるのがとても難しいのだ。

まだ、女の子と付き合ったこともなかった高校生の自分に、「あなたの妻よ」というおばさんが突然現れて、自分より年上の子供までいたとしたら、どんなにショックだろう[exclamation]きっとこんなはずじゃない[exclamation×2]って叫びたくなるだろう。

高校生の頃は、どんな未来も描けたし、可能性が無限大にあった。でも、大人になるにつれ、いろんな壁にぶつかったり、いろんな人に出会ったり、あらゆる分岐点でどちらかを選択してきた結果が今につながっている。
そのプロセスにおいて、納得しながら進んできたはずが、突然その記憶を失ってしまったら、現実を受け入れられるはずもない。進める未来はひとつ、選んできた道はひとつだから、思いも寄らない方向に進んでしまっていることもある。

記憶を失っていない私でも、時々「こんなはずじゃなかった」とか、「あの時あっちを選んでいたらよかった」などと思うことがある。進んでみないとわからないこともあるのだから、突然未来にポーンと飛んでしまったら、「どうしてこうなったのか?」って納得できないことだらけだろう。

物語の5人の主人公たちは、それぞれの過去のプロセスをたどり、苦しみながらも少しずつ現実を受け入れていく。私も自分がイヤになる時、これまでの選択の歴史を振り返ってみることによって、今の自分をちゃんと受け入れたいと思う。そしてこれから先の未来にも、まだまだたくさんの希望を持って、毎日を大切に進んでいきたい[ぴかぴか(新しい)]

突然ポーンと20年先に飛んだとしても、できるだけ、今の自分が納得できるような方向に進んでいけたらいいなぁ~[かわいい]

蛮幽鬼を観る\(^o^)/ [お芝居]

大好きな[揺れるハート]上川隆也さん出演のお芝居「蛮幽鬼」を観た。
新感線のお芝居を観るのは久しぶり。中島かずきさん作、いのうえひでのりさん演出の舞台。アレクサンドル・デュマの「巌窟王」を題材にした復讐劇だ。

上川さんは今回、稲森いずみさん演じる美しい婚約者もいて将来を約束されながら、留学先で友人と信じていた人たちに裏切られ、婚約者の兄を殺害した罪を擦り付けられ投獄される青年を演じている。10年という歳月の間、復讐への思いを胸に生き抜き、堺雅人さん演じる謎の殺し屋の力を借りて脱獄、別人になりすましその恨みを晴らすべく帰国。その無念の思いを晴らしていく・・・というストーリーだ。

さすがにいのうえさんの演出[exclamation]映像の力をうまく取り入れた見せ方が自然かつ新鮮で、舞台の迫力を倍増している。そしてテンポのよい流れ、わかりやすいストーリーで、観客はぐいぐい引き込まれていく。

もちろんお笑いもいたるところにちりばめられるサービス精神はスゴイ[exclamation×2]ご当地モノのネタで劇場は盛り上がる。俳優たちが客席の通路を行き来することで観客の心をを巻き込み、劇場全体が一体化した。最後はスタンディングオベーションの嵐[ぴかぴか(新しい)]素晴らしい舞台だった[わーい(嬉しい顔)]

特に今回は堺雅人さんの魅力[ぴかぴか(新しい)]が光っていた。常に笑顔で、軽々と人を殺していく不気味な役をみごとに演じきっていて、ほれぼれするようなキャラクターを作り上げていた。もう一度観たい[exclamation]って思うほど。

それから早乙女太一さん。私は多分このお芝居に出演されていなかったら彼の演技を観る事はなかったと思うが、18歳とは思えないほどの堂々とした演技とその動きの美しさに見とれてしまった[かわいい]さすがに大衆演劇で小さい頃から磨いた技は、ただものではない存在感をかもし出していた。

稲森いずみさんは、本当に美しかった[黒ハート]舞台での演技は初めて観たが、真に迫る演技はその美しさをより神々しく見せていた。

そして上川さん。やっぱりすごい、この人は[exclamation]投獄されて狂人のふりをしているシーンなどは、まるで別人だ。どんな人物でも自在に演じ、舞台を重ねるたびに俳優としての奥深さを増し、いったいあなたは何者??と思うほど計り知れない引き出しをその内側にたくさん持っているようだ。これからもずっと観続けていきたい[黒ハート]この人は本当にこの仕事が好きなのだなーと思う。「役者バカ」といったら失礼かもしれないけど、そういうところが私は好きだ[ハートたち(複数ハート)]

いいお芝居を観て、感動して、エネルギーをたくさん充電[ひらめき]できた。いい一日だった[かわいい]

七月大歌舞伎(^-^) [お芝居]

7月7日七夕の日、難波松竹座に七月大歌舞伎を観に行った[かわいい]
朝、出かける準備をもたもたしていたので開演5分前に会場に着くという、全くのぎりぎりセーフ[あせあせ(飛び散る汗)]で席に着いた。周りの観客は私より年配の方ばかりだったのですでにゆったりと着席されていて、恐縮した[ふらふら]

さて、この「七月大歌舞伎」はシェークスピアの十二夜を題材にした斬新な歌舞伎で、蜷川幸雄さん演出という有名なお芝居だ。平成17年に初演され、今年の3月にはロンドンで上演されたということだ。

幕が開き、まず驚かされるのは全面鏡が張りめぐらされた舞台。あれ、どこかで観たような・・・そう!昨年末に観た「表裏源内蛙合戦」の舞台だ。何度観てもビックリするし、初めて観た人は自分の姿が映っているのでちょっと嬉しくなるようだ。しかし今度は歌舞伎。雰囲気はまるで違う。そして歌舞伎なのに子供たちの賛美歌で始まる演出がなんともエキゾチックだった[ぴかぴか(新しい)]
物語の内容も前回観た普通の歌舞伎に比べてわかりやすい。時おり英語も混ぜながら笑いも誘うところがニクい。そして何度観ても市川亀治郎さんの女形姿は、めちゃくちゃ色っぽくて感動[揺れるハート]あれはほんとに芸術だ。若い女の色気ではなく、中年女のキリッとした色気に見とれてしまう。そして左大臣の心を虜にする織笛姫を演じた中村時蔵さん!いったいお年はいくつなの?立派なおじさまだと思うけど、あんなお姫様をみごとに演じられるなんて素晴らしい!パンフレットで素顔のお写真を拝見すると、なるほど美しいお顔立ちのおじさまである。

歌舞伎の魅力は「驚き」かもしれない。現実にはありえない夢の世界を見せてくれる。そして役者のセリフや、所作の美しさに心惹かれる。「いいものを観た」という気持ちになる。

観客を見渡すと、やはり60代以上が中心。なんだかもったいない気もする。もっと若い人たちがこういう芝居を観ることで、これから生きていく人生の栄養になるはず[exclamation×2]贅沢しなければ、4200円で観られる席もある。私も今回はコープさんの割引チケットを利用させてもらった。後ろの方だったけど、充分楽しめた。
日本の美しい文化の魅力を若い人にこそ味わって欲しいと心から思う。


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